下り潮ってなんだ(ヒリゾ浜の場合)
- 2015.09.25 Friday
- 18:38
JUGEMテーマ:魚釣り
先日、「下り潮ってなに?」という質問をうけた。「流れの方向があって・・・」といったところで、
自分もちゃんと理解していないことに気がついた。
海にはいろんな潮がある。
上げ潮、下げ潮、干潮、満潮、青潮、赤潮、親潮、黒潮。
「上り潮」「下り潮」は上の「黒潮」に関係したコトバだってことは
釣り人なら知っている。でもその理解があいまいだったのでちょっと調べてみた。
ちなみに上げ潮、下げ潮はそれぞれ満潮に向かって潮が上げてくる状態と
干潮に向かって潮位が下がっていくことを意味している。
青潮は深海から酸素の足りない海水が上がってきてしまい海が青白く濁る状態。
赤潮はプランクトンの大発生により海が赤くなる状態。
この二つは魚が釣れなくなるバッドコンディションである。
親潮は日本の北方から関東へ下る「海流」の事で、冷たいが栄養の多い海流。
黒潮は日本の南から関東へ上る、太平洋側最大の海流で、暖かいが
栄養が少なく、透明度が高いのが特長だ。
ダイビングではこの温度と透明度が好まれる。
釣りの場合は海流の強さが主に関係している(のだと思う)
黒潮はプランクトンが少なく、その点は魚にとっていいというわけではないが、
その海流の強さで、魚を遠くまで運んでくれる。
回遊にこの流れを利用する魚も多い。
南方の魚が関東までやってきて、越冬出来ずに死滅する「死滅回遊魚」
という現象もこの黒潮のせいだ。
さて、肝心の「くだりしお」「のぼりしお」のことだけど、
このノボリ、クダリは京都を基準に考えるようだ(wikiより)
つまり京都より西では上り潮、以東では下り潮と呼ばれる。
しかし釣りやダイビングでの用法はちょっとちがう。
南からやってきた黒潮は、紀伊半島や伊豆半島なんかにぶつかって、一部は流れを変える。
これらの半島に自分がいる場合、半島のどこに黒潮が当たるかで、自分の位置が
下り潮になったり上り潮になったりするということらしい。
どっちがよりダイビングや釣りに好条件となるかは地形次第なので、
一概にどうとは言えないようだ。
例えばこの夏訪れた南伊豆のスキンダイビングのメッカ、ヒリゾ浜の場合。
この地図のようにヒリゾ浜は北から南に抜けるような地形だ。
半島に黒潮がまともにぶつかってくれると、この伊豆半島の南端にある浜では下り潮
(京都から離れる流れの事ね)となり、
透明度が高くて暖かい水がたくさん流れてくるとともに、普段見られない南方の魚も
運ばれてくる。
しかし流れが強すぎれば、今度は泳ぎづらくなってしまう。
ヒリゾでは下り潮の強弱が、ダイビング環境の良し悪しに直結しているのだ。
逆に黒潮が半島を離れて流れると、
今度は弱い海流が南から入ってきて上り潮となる。
ヒリゾの水温は下り、水は濁り、魚の数は少なくなり、ダイビング環境は
悪化する。