カサゴ料理

  • 2015.04.30 Thursday
  • 05:00
JUGEMテーマ:料理

ある一人の夜、釣れた良型のカサゴを前に考える。どうやって食うか。

カサゴはどうやって食べても美味しい。

刺身、煮付け、唐揚げ、鍋、しゃぶしゃぶ、アクアパッツァ、パスタの具 etc

何周か回って久しぶりに煮付けで食べることにした。

魚を煮る時は時間をかけてはまずい。

醤油、砂糖、みりん、酒を煮立たせておく。

砂糖とみりんは多いほうが美味い。

ねぎやしょうががあっても良いが、

こんなに美味い魚を前にしては若干邪魔だというのが持論。

面倒だってのもある。

生きたカサゴを締めて、鱗を丹念に取る。これが重要。

煮る前に熱湯をかけてから冷水でしめて、再度細かい鱗を取る。

ここまでしないと口に残る鱗を防ぐのは無理なのだ。

エラの後ろ、胸ビレの下のあたりにがんこな鱗が残る。

尾の上側、下側。頭の上も忘れずに。

鰓葢の美味しいところの上は逆目でなく、包丁で順目でなぞるとうまくはがれる。

十字に切れ目を入れて煮汁に投入。フライパンに、落し蓋。さらに蓋をして中火。

五分タイマーで計る。

タイマーが鳴ったら蓋を取り、強火で煮汁を沸き立たせながら煮る。

カサゴに煮汁をかけながら二三分様子を見る。

充分火が通ったとみたら、カサゴを取り出し、煮汁はそのまま強火で煮詰める。

煮詰まった汁をカサゴに掛けて出来上がりだが、ここがコツ。

まずは煮詰める汁にカサゴがいてはいけない。

着崩れるし、煮汁が濃くなりすぎると、カサゴの身から水分が出すぎて、硬くなってしまう。

煮詰め具合も好き好きだが、薄いとぼやけるし、濃すぎると魚の味が消えてしまう。

とにかく好みだけれど、自分の好みを再現するのにも苦労がいるものだ。



今日は泡盛をロックにして、これをいただく。

出来栄えは上々。

煮魚と言うやつはひとり酒に良い。

身を口に運んでは酒をすすり、骨についた身をすすっては、酒を流し込む。

だまってこのローテーションを繰り返す。

猫が構われず不満げだが、手が止まらない。

ここでふと思い出して、「骨湯」とかいうのを試してみる。

妻の祖父は煮魚が好物で、毎日これを食した後、「骨湯」を楽しんだのだという。

煮魚の残った骨と煮汁に湯を差して飲むのだ。

これも美味い。

なるほど蕎麦湯のように、濃い味の煮汁が適度に薄まって

これまた酒が進む。

骨に残った身は、先ほどまでと逆に汁よりも濃く味がしみて、また違った味わいに感じる。

これだからカサゴ釣りはやめられないのだ。

猫はふて寝を決め込んでしまった。

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